送り仮名の種類が多すぎる漢字『眩』。


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眩しい まぶ-しい

  • 光が強くて目に刺激を覚える。「日の光が眩しい」
  • あまりに美しい・立派だ。「眩しい笑顔を振りまく」「少年たちの成長が眩しい」


眩い まばゆ-い

  • 光が強くて目に刺激を覚える。まぶしい。「日の光が眩い」
  • 光り輝くように美しい。「眩いばかりの美少女」「眩いばかりの王冠」


眩む くら-む

  • 強い光で一時的に見えなくなる。「車のライトに目が眩んだ」「眩惑」
  • めまいがする。「高熱に目が眩む」「眩暈」
  • 心が惑わされて正しい判断ができなくなる。「大金に目が眩む」


眩れる く-れる

  • 心が惑い、どうしてよいかわからなくなってしまう。「途方に眩れる」「涙に眩れる」


眩く くるめ-く

  • くるくる回る。「かざぐるまが眩く」「落ち葉が風に眩いた」
  • 目が回る。目がくらくらする。まぶしくて目がくらむ。「目も眩くばかりの光景」「目眩く光の中」


これらを使いこなさなきゃならない!!
前後の文や、送り仮名にじゅうぶん注意しろよなっ!


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このうちの「眩く(くるめ-く)」は、「目」を伴って用いられることが多い。

  • 目が眩く
  • 目眩く (めくるめく)


これらは、「目がくらむ・めまいがする」ことを意味する。

  • 崖の下をのぞいて目が眩いた
  • 目眩く速さでバイクが駆け抜けていった
  • 目眩く光の中


しかし、近頃では、「いい意味で『目がくらむ・めまいがする』」ってな感じを例えるのに用いられている(ことが多いような気がする)。
(目がくらむほどまぶしい・めまいがするほど素敵な、って感じかな?)

  • 眼前に目も眩くばかりの光景が広がる
  • 僕たちの目眩く未来
  • 目眩くような恋


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「くらむ」を 『眩む』 と書くので、
「くらくらする」を漢字で 『眩眩する』 と書くことができる。


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"眩いた"(くるめいた)で検索すると、
『呟いた』(つぶやいた)の間違いとおぼしきものしかヒットしないぜ。
手書き入力には注意!


けっこう誤解が多いけど、『目眩く』(めくるめく)は、『捲る』(めくる)とは関係がない!
「目眩くページに想いが蘇る」「スカートを目眩く光景に恍惚となる」とはならない。
でも掛詞(かけことば)の盛んだった百人一首の時代だったら採用されたかもしれないな。


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ボブにしてきました。