冒とく

  • 冒涜・冒瀆 ボウトク 神聖・尊厳なものや清純なものをけがすこと


正しい字体が『冒瀆』、現行の字体(略字体)が『冒涜』。
いずれも常用外漢字のため、ひらがなで『冒とく』と表記することがある。


漢字検定準1級で出題されるが、『冒瀆』と書く方がよい。


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『涜』『瀆』に似た漢字と、その略字体を見てみよう。


したがって、

  • 『売』の旧字体は、『讀』や『續』『瀆』の右側部分

といえそうだ。


讀賣新聞(よみうりしんぶん)」とかでもよく目にするし。


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ところが、拡大してみてみると……


讀 續 瀆 (読 続 涜 の旧字体
 (売 の旧字体


よく見ないと気づかないが、

  • 『讀』『続』『瀆』の右側部分は、士・四・貝
  • 『賣』は、士・罒・貝

となっている。


真ん中の部分が、ほんの少しだが違っている。


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『売』の旧字体『賣』には、反対の意味の『買』が含まれている。


元々の『賣』の字形は、「士・買(=賣)」ではなく、「出・買」だった。


「うる」=「買って手に入れた物が出てゆく」……「出・買」
この「出」が「士」に変形し、『賣』となったのだ。


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一方、『讀』『續』『瀆』などの真ん中は、『賣』とは違って、「四」と書く。


他にも、こんな漢字たちがある。

  • 効果覿面 コウカテキメン 効果がその場ですぐに現れること。
  • 尺牘 セキトク (牘は四角い木札) 手紙。書状。文書。
  • 犢牛 トクギュウ (犢は仔牛) 仔牛。
  • 贖罪 ショクザイ 金品を出したり、善行を積んだりして、犯した罪をつぐなうこと。
  • 干黷 カントク (黷は、けがす) 冒し汚す。繰り返しねだる。
  • 竇窖 トウコウ (竇は、あなぐら) 穀物を蓄えて出し入れする穴。あなぐら。


これらは、すべて真ん中が『四』。


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「売」の旧字体『賣』だけが、真ん中が『罒』だと覚えれば、楽ちん♥


「読売新聞」では、同じ『売』だが、
讀賣新聞」では、真ん中が『四』『罒』と異なっているので、気を付けて見てみよう♪♪