秘密

フォーレの"Le Secret"という歌曲がある。
長調のIIIの和音が多用され、それに伴いリディア旋法が現れる。
ピアノ伴奏は終始四分音符(八分音符=69)。
フォーレの歌曲の中でも、最も美しいものの一つである。
この"Le Secret"の邦訳だが、「秘密」、「秘めごと」などど訳される。
そこで早速、「秘密」の意味を調べてみると、
「隠してて人に知らせないこと。公開しないこと。また、その内容。」とある。
「秘密基地」「秘密の花園」「〜の秘密に迫る」のように用いる。
また、「一般に広く知られることが望ましくない事柄」という意味で、様々な言葉にくっつき、
「秘密保持契約」「企業秘密」「秘密鍵暗号」といった熟語をつくる。
ところで、「秘密」を「秘」「密」に分けてみると・・・
それぞれの漢字をよく見てみると、「秘」にも「密」にも、「心」が密かに入っている。
訓読みでは、それぞれ「秘める(ひめる)」「密か(ひそか)」と読める。
「想いを秘める」「密かな想い」とすれば、この歌曲のイメージにぴったりだ。
この歌曲のタイトルの「秘密」も、そういう意味だろう。
一方、「秘めごと」の意味を調べてみると、
「『秘めて』人に知らせない事柄。ないしょごと。」とある。ほとんど「秘密」と同じだ。
そこで、「秘める」を調べてみると、
「隠して人に知らせないでいる。表面に表さず隠し持っている」とある。
「思いを胸に秘める」「無限の可能性を秘めている」「秘められた過去」のように用いる。
また、「闘志を内に秘める」「決意を秘めた瞳」など比喩表現も多彩だ。
個人的な好みだが、この歌曲には「秘密」より「秘めごと」の方が合っていると思う。
意味は同じだが、漢語より和語の方がなんかしっくりくるなあと・・・。
余談だが・・・
「秘密」ということばは、しばしば「ひみつ」とひらがなで書く。
「ひみつ」とひらがなで書くと、「秘密保持」のような堅苦しさはなくなり、より身近に感じられる。
「ひみつの話」「ドラえもんひみつ道具」「ひみつのアッコちゃん」のように用いる。
さらに間に中黒を入れて「ひ・み・つ」とするとまた意味合いが変わってくる。