おちるものだ
何年か前によく聞いた言葉だ。「恋はするものじゃない。『おちる』ものだ。」美しい言葉だ。
これを漢字で書く場合、「堕ちる」が最も適切な表現となる。
ここでいう「〜に堕ちる」とは、「あることにはまりこんでしまう状態、強く引き込まれてしまう状態」を表している。
なので、「恋に堕ちる」以外にも、
「疲れ切って、深い眠りに堕ちる」
「心が深い暗闇に堕ちる」
「人々が罪に堕ちるのを救う」
「まんまと策略に堕ちる」
のように用いる。
それに対し「落ちる(落とす)」「墜ちる(墜とす)」は、物事が終極に達することを表すのに用いる。
「厳しい尋問で容疑者を落とす」
「首を絞められて落ちる」
「美女を落とす口説き術」
「オークションで高値で落とす」
「戦いに敗れ、城が落ちる」
のように用いる。
「おちる」を漢字で書くときは、一般的には「落ちる」と書くが、
墜落などの意には「墜」を、堕落などの意には「堕」を用いることができる。
余談だが・・・
「肥(こえ)はするものじゃない。おちるものだ」「肥溜め(こえだめ)におちる」というフレーズに使われる「おちる」は、
「支える物がなく、急に位置が下に移動する」意の「落ちる」「墜ちる」だ。
うまく落ちたかどうかはわからない。