髪にストレートパーマを掛けてきた(「髪に」は省略可だな)。
顔には、髪の毛以外にもいろんな毛が生えている。
ひげ(髭)は、生える箇所によって、くちひげ、ほおひげ、あごひげ、と名前を変える。
それぞれ、漢字で書いてみると、「口髭」「頬髯」「顎鬚」となる。漢字がそれぞれ異なることがわかる。
まず「髭」の字は、鼻の下に生えるひげ(くちひげ)を指す漢字だが、ひげ一般に用いる漢字でもある。
なので、あごひげ、ほおひげは、「頬髭」「顎髭」と書くこともある。
「髯」の字は、頬に生えるひげ(ほおひげ)を指す漢字。
ハンガリーの作曲家、バルトークは「青髯公(あおひげこう)の城」というオペラを書いた。
「あおひげ」っていうけど、どこのひげだ?という質問は、漢字を見れば一発解決する。頬に生えてるひげだ。
「鬚」の字は、顎に生えるひげ(あごひげ)を指す漢字。
「山羊鬚(やぎひげ)」のように使う。
また、かつては欧米人をののしるのに「赤鬚(あかひげ)」という言葉が用いられた。
すべて、部首「髟(かみがしら)」が共通していることが分かる。
他の「髟(かみがしら)」を使った漢字を見てみると・・・
「鬘(かつら)」・・・毛髪などで様々な髪型を作り、頭にかぶったり添えたりするもの。
「鬣(たてがみ)」・・・馬・獅子などのうなじから肩の近くまで生えている長い毛。
「丁髷(ちょんまげ)」・・・江戸時代の男の髪の結い方の一。
「鬢付け油(びんつけあぶら)」・・・力士がまげ(髷)を結うために使う油。また、頭の左右側面の髪を「鬢(びん)」という。
このように、「髟」を使った漢字は、顔に生える毛を表す漢字であることが分かる。
ところで、顔には「目」を守る役目の、「睫毛(まつげ)」、「眉毛(まゆげ)」が生えている。
両方とも、部首は「目」だ。「顔の毛」を表す「髟」ではないことに注目。
「眉」も「睫」も、「目」に関係する漢字である、ということだ。
余談だが、体毛の中で最も寿命が短いのが、睫毛。最も寿命が長いのが、眉毛。
さらに余談だが、かつて、「痛みの度合いを表す単位」として、「鼻毛を引き抜いたときの痛み」を、「1hanage」という単位で表す、というのが流行ったことがある。
ちなみに、体毛の中で、引っ張られたときの痛みが最も激しいのは、鼻毛ではなく、「足の親指に生えている毛」だ。
昔、ラジオで聞いたことがある。