丼物

「どんぶりもの」と読む。
「丼」という字は、漢字辞典によると、
音読み:タン、トン
訓読み:どんぶり
とある。
従って、普段何気なく食べている「天丼」「親子丼」などの「どん」は、「どんぶり」という本来の訓読みの読み方を省略した読み方なのだ。
さらに「鰻丼」や「天丼」に至っては、「うなぎ」「てんぷら」も省略している。
「玉子丼」や「親子丼」は、「具」の部分は省略されていない。「卵」が入ると省略されないのか?
チェーン店でよく食する「牛丼」「豚丼」。
一般的には「ぎゅうどん」「ぶたどん」と読む。
ご存じのとおり「牛丼」は重箱読みで、「豚丼」は訓読みだ。
まず「牛」は、「牛めし」「牛すじ」「牛なべ」「牛肉」「牛乳」など、熟語の先頭の場合、「ギュウ」と読ませる場合が多いのに対し、
「豚」は、「豚肉」「豚箱」「豚まん」など、「ぶた」と読ませる場合が結構ある。
この差がそのまま、「丼」にくっついたときの音読みと訓読みの差になったのだろう。
ところで、「丼」という字は、
井戸「井」の中に物「丶」を投げ入れたときの形を表し、
「どんぶり」という読みは、井戸の中に物を投げ入れたときの音なのである。