気になる

G7→Cのコード進行で、(G7)シ→(C)ドと解決する声部があるとする。
この解決を、(G7)シ→(C)シド、のように遅らせることがある。
この転位音(この場合のコードCでのシ)のような音を、「掛留音」という。
この「掛留音」という言葉は、どの音楽辞典にも載っている。
では、どこを調べれば載っているのだろうか?
「掛」という漢字の読み方が分かれば引けそうだ。
そこで、漢和辞典で「掛」という漢字を引いてみると、
訓読み:か(ける)、か(かる)、かかり
音読み:
とある。「掛」という漢字には、訓読みしかないのである。
無論、この漢字を音読みで用いる熟語もない。
「掛橋」のように両方とも訓読みか、「掛軸」のように湯桶読みするしかない。
(どうやら、「掛」のほかにも「扱」「届」も訓読みしかない。これらの漢字も、音読みで用いることはない。)
しかし、「かけどめおん」「かかりどめおん」で音楽辞典を引いてみても、載っていない。
なぜなら「掛留音」は、「けいりゅうおん」と読むからだ。
おかしくないか?何故、「掛」を「けい」と読むのだろうか。
「てへん」と「ト」の間に挟まってる「圭」が「けい」と読む字だからか?
それに、何故「掛」という字を使うのだろうか。
音を前のコードから繋いで留めているという意味で「繋留音」もしくは「係留音」とした方がふさわしいと思う。
(「係留」の「係」は、「繋」の書き換え字。)
前のコードから音を「かけわたす」というのであれば、「架」という漢字の方がふさわしいと思う。
分からん。