琵琶湖(びわこ)

何でフリガナ付き?
それは「琵琶湖のびわって、果物のびわなの?」、と(夜中の12時半なのに)聞かれたので。


答えは「NO」。
琵琶湖の「びわ」は、(諸説あるが)楽器の「琵琶(びわ)」に似ていることから来ているのだ。
かなりマイナーな楽器だ。弦楽器で、リュートやギターに似ている。四弦のものや五弦のものがあるらしい。


では、果物の方の「びわ」はというと、
漢字で「枇杷」と書く。
枇杷びわ)」は、楽器の「琵琶(びわ)」に似ていることから名付けられた(これにも諸説あり)。単純明快でよろしい。


ここで、楽器の「びわ」、果物の「びわ」、それぞれの漢字を改めて見てみよう。
「琵琶(楽器)」「枇杷(果物)」


では、楽器の方から「王王」を除去し、果物の方から「木へん」を除去してみよう。
「琵琶→比巴」、「枇杷→比巴」


お気づきの通り、両方とも部首を取ってしまうと、全く同じ漢字が残ることが分かる。
それに「比巴」も何となく「びわ」と読めそうな気がするし。


じゃあ「琵琶」の「王王」、「枇杷」の「木へん」はそれぞれ何なのさ?


まず「王王」。これは「弦楽器の弦が張ってある形」を表している。
「琴(こと)」や「瑟(おおごと)」といった弦楽器にも「王王」があるでしょ。


一方「木へん」は、普通の「木へんの漢字」と同じく、「植物」を表している。
これらの「部首の違い」が、「びわ(琵琶=楽器)」と「びわ枇杷=果物)」を分けたんだね。


ところで、部首を取った後の「比巴」を大漢和辞典で引いてみると、
「比巴(ビワ)……(楽器の)琵琶に同じ」とある。略字みたいな感じ?


また、「比巴」にそれぞれ「手へん」をくっつけてみると、
「批把」……お。なんか二文字ともちゃんと漢字になったし、しかも「びわ」って読めそうだ。
これも大漢和辞典を引いてみると、
「批把(ビワ)……(楽器の)琵琶に同じ。手を前に推すことと後ろに引くこと。弦をかき鳴らすこと」とある。
おお。さすがに手へんっぽいな。


最後に、ことわざを一つ。
「桃栗3年、柿8年、枇杷13年」(これにも諸説あるらしい)